第23章 彼女は別の男の子供を産むつもりだ

どうでもいい。

吉野夫人の座さえ盤石にして、子どもさえ手に入れられるなら、愛情が薄れようが何だろう。

自分のものになるはずのものは、ひとつだって減りはしない。

車が流れに合流する。小林莉那はシートにもたれ、目を閉じた。口元に浮かぶのは、勝利を確信したような笑み。

莉緒が子どもを産めない――それは、神様が自分にくれた最高の贈り物だった。

吉野母の命は長くない。あの人が逝き、吉野結人が莉緒に完全に失望してくれれば――あとは自分が積み上げてきた年月と、「情の深さ」で押し切れる。

吉野夫人の座は、もう自分の手の中に落ちている。

転院の手続きを終えるまで、莉緒はどこか上の空だった。

吉...

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