第239章 父親になる資格がない

 川崎綾人はふっと笑みを浮かべ、吉野結人に小さくうなずいた。

 浅野莉緒は腕の中で気持ちよさそうに眠る優を、壊れ物でも扱うみたいにそっと吉野結人へ差し出す。

 吉野結人の鼓動が、ひゅっと一拍抜けた。

 頭の中が真っ白になる。慌てて手を伸ばし、柔らかくて温かい小さな身体を受け取った。

 動きはぎこちない。痛くしてしまわないか、そればかりが怖い。

 見下ろすと、初めてこんな至近距離で、腕の中の赤ん坊の顔がはっきり見えた。

 抱き替えられた優は少し居心地が悪かったのか、小さな鼻をくしゃっとさせて「ん……」と不満げに鼻を鳴らしたが、目は開かない。

 ――綺麗な子だ。

 長いまつげが頬...

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