第24章 産婦人科に行ったの?

 莉緒が別荘に戻ったころには、心も体もすり減りきっていた。今すぐベッドに倒れ込み、そのまま深く眠ってしまいたい。

 けれど階段へ向けて踵を返した瞬間、腹の奥からはっきりと「ぐぅ」と音がした。

 ――そうだ。昼から何も口にしていない。

 お腹の子のためにも、食べないわけにはいかない。

 鉛でも仕込まれたみたいに重い脚を引きずってキッチンへ行き、冷蔵庫を開ける。手早く麺でも茹でよう。そう思ってフライパンに油を落とし、温まったところで卵を割り入れようとした、そのとき。

 ドアを叩く音が、いきなり響いた。

 莉緒は手を止め、眉をひそめる。

 ――川崎綾人が、何か忘れ物?

 さっきまで...

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