第243章 これからは夫婦だ

 浅野莉緒は川崎綾人の言葉に、思わず固まった。

「通報するほうが罠……? どういう意味?」

 綾人は背を向けていた身体をゆっくり返す。

「莉緒、落ち着いて考えてみて。もし浅野和実の話が本当なら、平田湊はあの廃工場の地下に秘密のアジトを持ってる。金山の件で、あいつは今、誰も信用できない状態だ。警戒心は限界まで張り詰めてるはず」

 言葉を切り、綾人は視線を外さず続けた。

「警察が本格的に動けば、どれだけ人目につかないように進めても、どうしたって“気配”は出る。風向きが変わったと気づいた瞬間、あいつなら――証拠を焼く。データを消す。最悪、俺たちが着く前にまた姿をくらます。そうなったら、次...

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