第37章 本当に彼の妻だったのか

「話がどんどん大げさになってる」

 小林莉那は笑って首を振り、それから吉野結人へ視線を向けた。

「結人、よかったら……今夜、私が一緒に行こうか」

 吉野結人は顔を上げる。

「足、まだ治ってないだろ」

 それに莉緒に知られたら、また面倒になる。

 最近は疲れ切っていた。莉緒には昔みたいに、静かにしていてほしかった。三日に一度は外へ出て、いちいち連れ戻すようなことは、もうしたくない。

「車椅子なら平気よ。それに、あのパーティー。私、ずっと注目してたデザイナーが来るって聞いたの。マイケルっていう人。海外にいた頃から作品が大好きで、ずっと一度会ってみたかったの」

 莉那はまつげを伏せ...

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