第42章 以前は私を迎えに来てくれたのに

「君はもともとモデルだろ。美への感覚も、身体で表現することも……いちばん直にわかってるはずだ」

 安藤里穂は新しいドレスを莉緒へ差し出した。

「もしかしたら、私には出てこない発想をくれるかもしれない。ねえ……この、まだ形になりかけのアイデア、どう育てていけばいいと思う?」

「わ、私が……いいんですか?」

 莉緒は信じられない、という顔をした。安藤里穂のような一流のデザイナーが、自分に意見を求めるなんて。

 業界の人間に「同じ側」として扱われたのは、いつ以来だろう。

「いいに決まってるでしょ」

 安藤里穂は笑いながら、莉緒にスカートを通してやる。

「さっきランウェイの設計の問題...

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