第58章 莉緒の仕業だろうか

「何だと……?! 莉緒が流産したことを、わざと母さんに知らせた奴がいるっていうのか?!」

――よし。

小林莉那は胸の奥でそっと息をついた。ひとまず、彼の意識を別のところへ逸らせた。

「だから、早く病院に行こう! 私が悪いの……スマホも充電切れで、すぐに連絡できなかった!」

小林莉那は焦ったふりでまくしたてる。

母のこととなると、吉野結人は他を顧みない。彼は莉那の腕を掴むなり車へ引っぱり込むと、凍てつく声で命じた。

「病院だ」

……

吉野母の病室の前に着くと、案の定、小林莉那の予想通りだった。

空気は張り詰め、警備のボディーガードが普段の倍に増えている。廊下の入口から扉の前ま...

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