第61章 鳶が鷹を生む

莉緒の沈黙こそ、何よりの答えだった。

 おばあちゃんは、さして意外でもなさそうだった。

 ふん、と鼻を鳴らす。

「吉野家の奥さんは、まだできた人だよ」

 声色は少し和らいだ。けれど、言葉の刃は相変わらず鋭い。

「惜しいのは、親がよくても息子が出来損ないだったってことさ」

 その言葉に、莉緒は返す言葉を持たなかった。いや、返せるはずもない。

 ただ、ますます深くうつむく。

 このまま地面にでもめり込んでしまいたい――そう思うほどに。

 おばあちゃんはそれ以上何も言わなかった。最後のひと株のニラを刈り終えると、鎌と籠を脇へ置き、首にかけていた古びた手ぬぐいで手を拭う。それから杖...

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