第70章 約束すればいいんだろう?

「なに、あの安藤さんって子……知り合ってまだ何日? そんな大事なこと――妊娠のことを、よくペラペラ話せたもんだね」

 おばあちゃんはモップをぎゅうぎゅう床に押しつけながら、顔も上げずに小言を並べる。

「もし口を滑らせて、吉野家だの、あの小林って泥棒猫の耳にでも入ったらどうするんだい。あんた、自分と腹の子を火の中へ放り込む気かい? それに、その薬。ほんとに信用できるの?」

 莉緒は水で口をゆすいでから、静かに言い返した。

「おばあちゃん、里穂姉さんはいい人だよ。それに、精神的にかなり不安定で……あの件のこと、ずっと自分を責めてるの。私が真実を言わなかったら、罪悪感のまま潰れちゃう。病状...

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