第94章 リオ、自分を見捨てないで

浅野莉緒――あの女のせいだ。

 あいつが「離婚する」なんて口では言いながら、結局は吉野結人の心をふらふらさせた。だから自分は、こんな目に――。

 小林莉那はぽろぽろと涙を落とした。息が詰まりかけて、ようやく泣くのを止める。

 弱々しく吉野結人の袖を掴み、縋りつくように言った。

「結人……さっき、本当は私が死ねばいいって思った? そうしたらあなた、解放されるでしょ。私みたいな重荷の世話もしなくていい。堂々と莉緒のところへ行ける。……そうなんでしょ?」

 瀕死のような脆さが、眉と目元に張りついている。

 吉野結人の胸が、ずしりと重くなった。さっきまでの疑いも、半分以上は薄れていく。

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