第130章 良い夜をお過ごしください

平山亜美の視点:

林原莉子がぴょん、と跳ねるみたいに近づいてきて、私の肩に腕を回した。

「亜美、あんたさ。坂井陽にメンタルやられてるよ」

「え?」

私はぽかんとして莉子を見た。

「それ、坂井陽と関係ある?」

「私たち、別れてからだいぶ経つじゃん」

メンタル……やられてる?

――たしかに、心当たりはある。

坂井陽と終わる間際、彼はよく言った。

『お前って、桜井有紗のほうがよっぽど大人だよな』とか。

『桜井有紗みたいに、もっと器でかくなれないの?』とか。

でも私は、自分では影響なんて受けてないと思ってた。

思ってた……だけ。

「いいえ、むしろ逆よ」

女性オーナーがき...

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