第140章 もう子供じゃない

平山亜美の視点:

「宮下駿介!」

私は彼の膝の上にうつ伏せに押さえつけられたまま必死にもがいたけれど、腕の力が違いすぎてびくともしない。

「放して! 自分でできる!」

「動くな。すぐ終わる」

彼の手が私の腰のあたりをしっかり押さえ、ズボンを少しだけ下ろした。

看護師さんが注射器を持って近づいてくる。冷たいアルコール綿が肌をなぞった瞬間、全身がきゅっと強張った。

次の瞬間、針先が刺さる。

薬液がゆっくり押し込まれていく、筋肉の奥に広がるような鈍い痛みとだるさに、私は思わず「っ……」と息を吸い込んだ。涙が一気に目の縁までせり上がる。

「はい、終わりました」

看護師さんが針を抜...

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