第146章 あの人は海の中で眠っている

平山亜美の視点:

 私は首を横に振って、それから小さくうなずいた。

「うーん……まあ、したって言えばしたし、してないって言えばしてないかな」

 林原莉子の目がぱっと輝く。

「えっ、亜美たちもケンカするんだ? てっきり二人とも怒ったら、座って哲学の話しかしないタイプかと思ってた」

 その言い方がおかしくて、思わずくすっと笑ってしまう。

「人間なんだから、ケンカくらいするでしょ」

「じゃあ早く教えて」

 莉子が身を乗り出してくる。

「どんなケンカ? どっちが先に折れたの? 部長さん何て言った? 亜美、泣いた?」

 矢継ぎ早の質問に、私は完全に面食らった。頭の奥が勝手に、昨夜の...

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