第151章 あなたは殺人犯ではない

平山亜美の視点:

「……なんで、あの人が捕まったの?」

店長はふう、と息を吐いた。

「横領だよ」

「横領……?」私は言葉の意味を頭の中で転がしたまま、固まった。

どうしても結びつかない。あの女の顔と、その言葉が。

私の記憶の中の彼女は、いつだって洗いざらしで色の抜けた古いコートを羽織っていた。髪はきっちり後ろに撫でつけ、話すときは少しだけ腰を折る。子どもをあやすみたいな、やわらかい姿勢で。

児童養護施設の子たちに飴を買ってやったり、行事のときには手作りのクッキーを配ったりもした。

私の児童養護施設の思い出の中で、彼女はずっと優しさにあふれた人だった。いつも子どもたちのことを一...

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