第156章 彼は本当にとてもとても良い人だ

平山亜美の視点:

  恵那は涙を浮かべたまま、こくりと小さく頷いた。

  私は雷に打たれたみたいに、その場で固まった。耳の奥がじんじん鳴って、世界の音が遠のく。

  しばらくして、私の目の縁も真っ赤に滲んだ。

 一歩踏み出し、恵那の手をぎゅっと握る。

「そんな……どうして……なんで、よりにもよってあなたたちが……。二人とも、あんなにいい子だったのに……」

 恵那は俯き、顔を両手に埋めた。肩が大きく震える。

 嗚咽は掠れて、喉が裂けそうだった。胸の奥に溜め込んできた怒りも悔しさも、全部まとめて吐き出すみたいに。

 長い時間、泣いた。

 ようやく顔を上げたとき、頬は涙でぐしゃぐ...

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