第158章 子供の頃の日記

平山亜美の視点:

  墓石には、莉々の写真が刻まれていた。

  長い年月を挟んで――ようやく、莉々の顔がもう一度、私の目の前に戻ってきた。

  写真の彼女は、記憶の中のまま。何ひとつ変わっていない。

  変わったのは、私のほうだ。

  莉々が私を見たら……まだ、私だって分かるだろうか。

  墓地の外、田畑を渡ってきた風が頬を撫でる。まるで莉々の指先みたいに。

  私はしゃがみ込み、道すがら買った白いデイジーの小さな花束を、碑の前にそっと置いた。

  指先で、墓石の写真に触れる。

  「莉々、会いに来たよ」

  遠くから風が吹き、花束の花びらがかすかに揺れた。

  私は目...

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