第161章 お前は神様に会う資格がない

平山亜美の視点

  ちゃりん、ちゃりん、と乾いた音を立てて、手の中の小銭が全部、地面にこぼれ落ちた。

  街灯の光が、彼女の顔を容赦なく照らし出す。

  かつては澄んでいたはずの瞳は、いまや灰を溶かしたような薄い緑。焦点の合わない視線が私をかすめ、すぐに――目の前のホーローの椀へ落ちた。

  指先が、ほんの少しだけ動く。転がった小銭をかき集め、椀の中へ寄せる。

「お嬢様……」

  かすれた声が、また響いた。

「どうか……お恵みを……」

  ――私のことを、覚えていない。

  口を開いたのに、声が出るまでやけに時間がかかった。

「……私のこと、分からないの?」

  動きが...

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