第163章 学校に戻って教壇に立つ

平山亜美の視点:

  一瞬、息が止まった。愕然として振り返ると、そこにいたのは二宮夫人だった。

「二宮さん!」

  私は慌てて駆け寄った。

  彼女は白い百合の花束を抱え、やわらかく笑っている。

「来てくださったんですか……!」

  驚きと嬉しさが一緒に込み上げて、声が少し上ずった。

「あなたの教授から聞いたのよ。今日だって知らなくてね」

  二宮さんは軽く肩をすくめる。

「当日は人が多くて忙しいでしょう? だから、先にお祝いしておこうと思って」

  そう言って、花束を私の腕の中へそっと預けた。

「それに……亜美。個展をやるのに、私には一言もなし?」

  冗談めかした...

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