第36章 急にトイレに行きたくなりました

平山亜美の視点:

 胸の奥がぎゅっと掴まれたみたいに痛んで、さっきまでの気まずさも照れも、一瞬で吹き飛んだ。

「どうしたの? 熱? 傷が痛いの? どこか具合悪い? わ、私、すぐ先生呼ぶ!」

 慌ててナースコールに手を伸ばしかける。

「ち、違う……」

 宮下駿介は気まずそうに視線を逸らした。

「その……陽が来る前から、ずっと……トイレ、行きたくて。タイミングなくて……」

「……え?」

 一拍遅れて意味が頭に落ちた瞬間、頬がぼんっと熱くなる。

「ご、ごめん! わ、私、全然気づかなくて!」

 手足の置き場が分からなくなる。床に穴があったら今すぐ潜りたい。でも彼は明らかに限界ぎり...

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