第41章 いつも君に迷惑をかける

平山亜美の視点

「警察を呼びます。こちらで住居侵入と強姦未遂の事件が――」

「だ、だめ……待ってください、宮下さん!」

思わず叫んでいた。

まさか、本当に通報するなんて思わなかった。

坂井陽は、彼の甥だ。

たしかに間違いは犯した。けれど、警察に突き出すなんて――

それが何を意味するのか、私にはよくわかっていた。

坂井陽に前科がつくかもしれない。それだけじゃない。家族全体、とくに坂井夫人が受ける衝撃は、どれほど大きいだろう。

しかも通報したのが宮下駿介本人となれば、坂井夫人は何を思うのか。

宮下駿介の声が、ほんの一瞬だけ途切れた。

彼は横を向き、スマホの画面から視線を外し...

ログインして続きを読む