第49章 玉の輿

平山亜美の視点:

  顔を上げた瞬間、目に飛び込んできたのは――桜井有紗の、笑っている顔だった。

  腕を組み、いかにも余裕ぶった様子で私の正面に立ちはだかっている。背後には美奈と、いつも有紗の周りにいる女子が二、三人。

  ……最悪。

  こっちは心の中がぐちゃぐちゃで、相手をする気力もない。

  何も言わずに身をひねり、横からすり抜けようとした。

  けれど私が一歩ずれると、有紗もすっと同じだけ横に移動して、また目の前を塞ぐ。

  反対側へ回ろうとしても、ぴたり。影みたいに、ついてくる。

  周囲の視線が集まり始める。ざわ、と空気が揺れた。通りすがりの生徒が足を止め、面白...

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