第53章 私を信じて、君を無事にはさせない

平山亜美の視点

全身から冷や汗が噴き出した。

それでも土壇場で、私は窓枠にしがみついたまま、どうにか体勢だけは立て直す。

けれど息を整える暇もなかった。あの男子生徒はもう窓際まで這い寄ってきて、泥で汚れた手で私のスカートの裾をむんずとつかみ、ぐいっと後ろへ引っぱった。

「降りろ! 俺と遊べ!」

「いや! 放して!」

悲鳴を上げながら、私は冷えきった窓枠に両手を食い込ませる。夜風の中で体ががたがた震えた。

極限の恐怖に、何度も目の前が暗くなる。涙があっという間にあふれて、視界がぼやけた。

誰か。

誰か、助けて――!

そのときだった。聞き覚えがありすぎて、魂ごと揺さぶられるよ...

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