第56章 実は私は女が好きだ

平山亜美の視点:

頭の中でブンッと音がして、何かが爆ぜたみたいだった。

――中尾理沙が、私のことを好きになるのを心配してる……って、どういう意味?

その瞬間、ありえないくらい大胆で、とんでもない仮説が脳裏をよぎった。

宮下駿介が私を中尾理沙に近づけたがらないのは、中尾理沙に対して変な独占欲があるからじゃない。

中尾理沙が――。

……女の子が好き、ってこと……?

心臓が一気に跳ねて、血がどっと頭に上がった。頬が熱くて、焼けそうなくらい。

私はこっそり目を上げ、ほんの一瞬だけ中尾理沙を盗み見て、すぐに視線を落とした。

もし中尾理沙が女性好きなら、彼女と宮下駿介の距離感――妙に自...

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