第57章 男が女を好きになること

宮下駿介の視点

頭の中で――ドン、と何かが爆発した。

平山亜美の手が、俺の股間に置かれている。

薄いズボン越しに、掌の熱がはっきり伝わってきて、男がいちばん触れられたくない場所を、寸分違わず捉えていた。

全身が固まる。息の仕方すら忘れる。

その瞬間、脳内は真っ白だった。

ぎこちなく首を回して、隣の中尾理沙を見る。

理沙は小首をかしげたまま、角度のせいで見えていない。何が起きているのか、まるで気づいていない。

俺は必死に目で訴えた。

行け。今すぐ行け。頼むから。

理沙がぱちぱち瞬きをして、心底わけがわからない顔になる。

口を開く。たぶん「どうしたの?」って聞く気なんだろう...

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