第58章 二人だけの世界を過ごしたいのか

宮下駿介の視点:

胸の奥がひゅっと鳴った。フォークを握る指に、思わず力が入る。

平山亜美はさらに俯いて、顔が皿に埋まりそうだった。

――気づいたのか? さっきの俺と亜美の、あれを……。

「ねえ。あんたたち、さっきこっそりキスしたでしょ?」

中尾理沙が片手を腰に当て、もう片方の指で俺たちをびしっと指す。まるで重大犯罪の証拠でも押さえたみたいな顔だ。

俺は一瞬、固まった。

次の瞬間、限界まで張り詰めていた神経が、すとんとほどける。

……よかった。キス、で済んでる。

少なくとも、もっととんでもないことまでは想像してない。

中尾理沙はほんとに筋金入りのレズビアンだ。男女の間にある...

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