第69章 あなたには、その価値がある

平山亜美の視点

 宮下駿介から、数枚の写真が送られてきた。

 1枚目。遊園地のメリーゴーラウンドの前で、坂井陽がピンクの綿あめを手に、うつむき加減で桜井有紗に差し出している。

 桜井有紗は顔を上げて彼に笑いかけ、二人の距離は――妙に近い。近すぎて、息が絡みそうなほど。

 私はそのまま、指を滑らせた。

 学校の廊下。坂井陽はロッカーにもたれ、桜井有紗が背伸びして耳元で何か囁いている。唇が、ほとんど耳たぶに触れそうだった。

 図書館。並んで座った二人。桜井有紗の手が、坂井陽の手の甲にそっと重なっている。

 駐車場。坂井陽が車のドアを開け、彼女は乗り込む直前に振り返って笑う。

 次...

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