第70章 お宅の宮下駿介は嫉妬しないだろうね

平山亜美の視点

 どさっ、とソファに尻もちをついた。手の中のスマホがすっぽ抜けて、ぽーんと飛んでいく。

 目の前の顔を認識した瞬間、胸いっぱいの驚きは、そのまま苛立ちに変わった。

「パパ! なにしてんの!」

 父は杖を突き、ありえないくらい窮屈そうな体勢で腰を折っていた。さっきまで、その格好のまま私の背後に顔を突っ込んでいたのは明らかだ。

 一瞬だけ「見つかった」という顔をしたのに、すぐさま開き直った表情に切り替える。

「お、おれは通りかかっただけだ」

 杖を頼りに一歩退きながら言う。

「お前がスマホ見て、泣いたり笑ったりしてるからさ。変なもんでも憑いたのかと思ったんだよ」

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