第73章 彼はもしかすると告白する気などまったくないのかもしれない

平山亜美の視点

  私は急に後ろめたくなって、ごくりと唾を飲み込んだ。

  ――やばい。彼のこと、すっかり忘れてた!

  慌てて振り向き、作り笑いを貼り付ける。

「鈴木唯斗、この人は宮下駿介さん。ニューヨークでの……友達。さっきは彼が間に合ってくれたおかげで助かったの。あの場を収めてくれた」

  鈴木唯斗が先に手を差し出した。

「はじめまして、宮下さん。先ほどは、うちのお嬢様をお守りいただき、ありがとうございました」

  宮下駿介は差し出された手を伏し目がちに一瞥し、半拍置いてから握る。触れたと思った瞬間、すぐに離れた。

「気にするな。彼女を守るのは、俺の癖だ」

  心臓が...

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