第77章 平山亜美、本当に君が好きだ

宮下駿介の視点

 扉が開いた。

 そこに立っていたのは平山亜美だった。扉の内側から、まっすぐ俺を見ている。

 目は赤く、まぶたは少し腫れていて、まつ毛には乾ききっていない雫が残っている。鼻先まで赤い。

 ――泣いたんだ。

 胸の真ん中を、誰かに思いきり殴られたみたいだった。鈍い痛みが心臓から四肢へ広がって、指先までじんと痺れる。

 俺だと分かった瞬間、亜美は慌てて手を上げ、手の甲で目尻をさっと拭った。

「……なんでまた来たの? 玄関のところ、足音がして……ずっと止まってた」

 足音を聞いて、変な人かもしれないと思って確認しに来たんだろう。

 怖かったんだ。

 怖がらせたの...

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