第94章 私はあなたの背後にいる

平山亜美の視点:

  画面に飛び込んできたビデオ通話の着信。指がびくっと震えて、危うくスマホを落としそうになった。

  宮下駿介だ。

  私は慌てて通話ボタンを押す。画面に彼の顔が映った――瞬間、反射的に顔を背けて、スマホを少し横にずらした。正面から見られたくなかった。

  今の私は、きっとひどい。

  目は腫れて、鼻先は赤くて、頬には乾ききっていない涙の筋。髪もぐしゃぐしゃで、頬に貼りついている。

  こんな姿、見せたくない。心配させたくない。

「顔、見せて」

  彼が穏やかな声で言う。

「今、かわいくない」

  手の甲で乱暴に顔をこすった。

「亜美」

  柔らかく...

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