第100章 彼女を何もかも失わせるためだ

望月朝夜の裁判は、勝った。

知らせを聞いた瞬間、想像していたような狂喜はなかった。胸の奥にずっと引っかかっていた石が、ようやく――すとん、と落ちた。そんな感覚だけ。

そして、もっと大きな追い風が続けざまにやってくる。

望月家の反訴でいったん協業を止めていた製薬会社が、責任者自ら電話をかけてきたのだ。契約の全面再開。それどころか、最高級の独立ラボまで用意するという。

「望月さん。私どもが評価しているのは、あなたの才能です。これからは――ここが、あなたの戦場になります」

新しい研究室は、高新区の一角に建つ独立棟。警備は厳重で、設備はどれも一流品ばかりだった。

望月朝夜が足を踏み入れた...

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