第103章 私たちが責任を持つ

結城永司が研究室破壊の報せを受けたのは、結城グループの広報危機の火消しに追われている最中だった。

受話器の向こうで、秘書の声が震えている。その内容を聞いた瞬間、胸の奥がずしりと沈んだ。

脳裏に浮かんだのは、望月朝夜の青白い横顔。

――あそこは、彼女の命だ。

彼女がすべてを注ぎ込んだ場所。

「誰の仕業だ」

「まだ調査中です。現場はめちゃくちゃで……明らかに故意の破壊です」

結城永司は通話を切った。

分かっている。

あんな形で望月朝夜を叩ける人間は、ひとりしかいない。

追い詰めた女――相馬万珠。

あの執念の毒は、想像を超えていた。

望月朝夜を社会的に殺すだけじゃない。未来...

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