第110章 あれは彼女の心血

毎日きっちり同じ時間。三食に加えて、補養のスープが二回。雷が落ちようが槍が降ろうが、必ず彼女の前に並べられた。

望月朝夜は、最初こそ拒んだ。

寝室に鍵をかけ、出てこない。

結城永司はノックもしない。ドアの前にトレーを置き、料理が冷めきるまで待ち、何も言わずに下げる。そしてまた、温かいものに替えて置く。

一日と一晩、無言の綱引きが続いた末――望月朝夜は、自分でドアを開けた。

折れたのは自分のためじゃない。医師に「いつ失われてもおかしくない」と宣告された、腹の中の小さな命のためだ。

無表情のまま口に運ぶ彼女を、結城永司は静かに見ている。

食べ終えれば、彼が器を下げる。

二人の間に...

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