第116章 「家族」への汚名

川瀬先生の声明は、混沌とした世論の渦へ、巨石を投げ込むような一撃だった。

同じ頃、結城永司が提出した証拠一式も、曽我のデスクへ届いていた。

詳細な通話履歴と、送金の証憑。

そこには、相馬万珠の代理人弁護士が、例の「被害を受けた海外企業」と称する会社の国内窓口へ、何度も出入りしていた事実が記されていた。

さらに、その会社が提示した「原始データ」は、下層プロトコルの穴が目立ちすぎる。

こんな初歩的なミスは、たいてい、焦ってデッチ上げた偽造屋がやらかすものだ。

◇

朝。

曽我は部下を連れて、再び研究室へ現れた。

だが今回は、封印テープではなく――調査撤回の決定書を携えて。

「望...

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