第134章 彼はいったい何をしたいのか

「前に海外のサプライヤーを何社か当たってみたんだが、出せるところは一社だけあった。……ただ、国内に入れるとなると税関が厄介だ」

望月朝夜の心が、きゅっと持ち上がる。

そこが――いちばん怖いところだった。

結城グループは通関システムに太いパイプを持っている。結城永司が裏で手を回せば、彼女の機材など一台たりとも入ってこない。

「先生、そのドイツの会社……連絡をお願いできますか。税関のほうは、私が何とかします」

いま自分にできるのは、まず一歩を踏み出すことだけ。朝夜はそう分かっていた。

坂東敬生は短く息を吐き、

「分かった。俺が連絡してやる。ただし朝夜、覚悟はしておけ。機材は安くない...

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