第152章 遅すぎた

彼は一瞬、言葉を切った。

結城永司が目を上げる。「相馬万珠?」

助手の背中に、薄く汗がにじむ。腹を括って続きを読み上げた。

「起爆装置は、望月当主が平野から入手したものです。ただ、設置場所、行動可能な時間帯、警備の交代パターン――それらはすべて相馬嬢が提供しています」

「相馬嬢は望月当主に、手付金として現金2,000万を渡しています。成功後にさらに2,000万」

助手はファイルを閉じ、結城の反応を待った。

結城永司の手は報告書の上に置かれ、五指を広げたまま紙面を押さえつけている。

数字がびっしり並んでいる。だが、ひとつも頭に入ってこなかった。

「録音は?」

「取り調べは全編...

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