第166章 脱獄

「それ、君のラボのロッカーから取ってきた」

林田修はそう言って、持ってきたものをベッドサイドの棚に置いた。ひとつずつ、丁寧に並べていく。

望月朝夜の視線が、葉酸の錠剤の箱に止まる。

「……ありがとう」

林田修はベッドの足元あたりに立ったまま、「医者は何て?」と訊いた。

「明日、小さな手術をして……そのあとは安静にして寝てるだけ」

彼は頷き、点滴スタンドの薬袋へ目を走らせる。硫酸マグネシウムと黄体ホルモン。

薬の名前は、彼にも分かった。

「ラボのことは気にするな。周防蘭なら持つ。データ整理も俺が手伝う。技術の中身は分からないけど、書類とか外部とのやり取りは俺がやる」

望月朝夜...

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