第183章 その席は、いずれ私のものです

結城永司は身をひねってかわした。飛んできたリンゴは壁に叩きつけられ、ぐしゃりと潰れて砕け散る。

ベッドの上。目を閉じ、もう一瞥すらくれる気のない女を見て、胸の奥の苛立ちは限界まで膨れ上がった。

永司は乱暴に踵を返し、去り際にドアを叩きつける。バンッ! という轟音が廊下じゅうに響き渡った。

永司が出ていった、その直後。

入れ替わるように相馬万珠が病室へ入ってきた。

果物籠を提げ、素朴な白いロングワンピース。薄化粧の顔は、いかにも「心配してます」と言わんばかりだ。

「朝夜さん……」

果物籠を床に置き、ベッド脇へ寄る。望月朝夜を覗き込む目は憂いに満ちていた。

「聞きました……その…...

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