第39章 まだ俺がその手に乗ると思うの?

「うん」

研究所の官舎へ戻るなり、望月朝夜が真っ先にしたのはパソコンを立ち上げることだった。

受信箱には未読メールが何十通も、静かに積み重なっている。

ほとんどが学術誌の配信通知で、あとは同業者からの近況伺い。

マウスホイールに指を添え、まとめて既読にしようとした、そのとき。差出人不明の一通が、ふっと視界に引っかかった。

件名は短い。英語で一行――

An Invitation from the International Pharmaceutical Association.

国際製薬協会からのご招待。

望月朝夜の心臓が、ひとつ拍を落とす。

クリックして開いた。

スイス・...

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