第46章 すべて彼女の自作自演だ

空港へ向かう高速道路。

ロールスロイスの後部座席で男が通話を切った瞬間、車内の空気が一段冷えた。陰りきった表情は、今にも水が滴り落ちそうなくらいだ。

「引き返せ。中央病院へ」

結城永司の声に、温度というものが存在しない。

坂東補佐は理由を聞く勇気などなく、すぐさまウインカーを出してハンドルを切った。車は市街地へ向けて、勢いよく駆け出す。

十数時間の国際線フライト。着陸してから、まだ三時間も経っていない。

坂東補佐はルームミラー越しに、そっと主の横顔を盗み見た。

結城社長にとって相馬嬢は、まったく——大事にされすぎている。

では、奥様はどうなる。

……

マンション。

須藤...

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