第47章 きれいに処理しておけ

院長は困り顔で口を開いた。

「ですが結城社長、あの交通事故の女性は……」

「言っただろ」

結城永司が遮る。声は有無を言わせない強さだった。

「責任は俺が取る」

一拍置き、彼の視線がふたたび病室のドアの隙間へ滑る。

そこから落ちてきた声音は、さっきよりもさらに冷え切っていた。

「暇だから騒ぎを起こすんだ。……分別がない」

分別がない。

彼の目に映る自分は、犬以下。

いや。犬以下どころじゃない。

小福と比べること自体、烏滸がましいのかもしれない。

小福は、結城永司の愛犬。

相馬万珠が小福に噛まれたとしても、結城永司は小福を叱らない。叱るのは、いつだって自分のほうだ。

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