第53章 現実と向き合う

三十分後。

望月朝夜は、半月以上も自分を閉じ込めていた場所を後にした。

――やっと、外へ出られた。

けれど、その先は?

もう、会議には間に合わない。

アパートに戻ると、須藤千奈と林田修がとっくに待っていた。

望月朝夜の見るも無残な姿に、須藤千奈はその場で涙をこぼした。

「大丈夫。平気だから」

朝夜はそう言って数句なだめ、真っ先に予備の携帯を取り出してチームに連絡を入れる。

呼び出し音。繋がった――が、返ってきたのは最悪の知らせだった。

「望月朝夜、いったいどこにいたの?」

受話口の向こうの声には、濃い焦りと失望が滲んでいた。

「シンポジウムはもう終わった。あなたが来な...

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