第54章 頑固な人

空港で林田修が彼女の保証人になった時点で、結城永司には完全に目をつけられていた。

これ以上、彼を巻き込みたくない。

林田修は彼女を見つめ、拳をぎり、と握りしめたまま――やがて力なく、椅子へ座り直した。

……そうだ。自分に何ができる?

林田家の力など、結城永司の前では児戯に等しい。

行ったところで火に油を注ぐだけ。望月朝夜の立場を、さらに苦しくする。それ以上でもそれ以下でもない。

須藤千奈は悔しさに目を赤くし、声を震わせた。

「朝夜、じゃあ私たちどうすればいいの? このまま泣き寝入りなんて、嫌だよ……!」

望月朝夜は答えなかった。ただ、千奈の手の甲をそっと撫でてから、「疲れた」...

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