第63章 プロジェクトを抜けます

三十分後、望月朝夜は学校に駆けつけた。

研究棟まではまだ少し距離があるというのに、入口の前がすでに人でぎゅうぎゅうだった。内も外も三重四重。ざわめきが渦を巻いている。

朝夜は肩で押し分けるようにして人の輪へ潜り込んだ。

最前列にいたのは、シャネルの最新コレクションのセットアップを着た若い女。完璧に作り込んだメイクが涙で崩れ、頬には筋が残っている。友人たちに取り囲まれ、今にも倒れそうなほど「可哀想な被害者」を演じきっていた。

その女の足元には、写真がばらばらに散らばっている。

写っているのは朝夜と林田修。

転びかけた朝夜を林田修が支えて立ち上がらせる瞬間。ソファ脇で水を差し出す瞬間...

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