第87章 慰めの一言もない?

望月朝夜は口を開きかけた。感謝もある。けれど、ためらいもあった。

「断るなよ」

林田修は、彼女が何を言おうとしているのか分かっているみたいに言った。

「俺たちの間で、今さらそんなの要るか?」

――彼女を安心させるために、わざわざそう言ってくれている。

望月朝夜には、それが痛いほど分かった。

「……ありがとう、修」

声は心からのものだった。

「バカ」

林田修が小さく笑う。

「ちゃんと休め。身体が戻ったら、俺がうまいもん奢る」

通話が切れた瞬間、胸の奥にのしかかっていた重石が、ようやく少しだけ外れた気がした。

林田修はいつだって、彼女が一番どうしようもない時に手を差し伸べ...

ログインして続きを読む