第百六章

雪菜はドアを力任せに蹴りつけ、金切り声を上げた。

「開けなさいよ! ドアを開けろって言ってんでしょ! ここから出しなさい! 百合子! この死に損ないのクソ婆ァ!」

いくら叫んでも、外からは何の反応もない。

彼女は身を翻し、部屋に残っていたわずかな物を手当たり次第に破壊し始めた。

テーブルをひっくり返し、椅子を叩き割り、ベッドの掛け布団や枕も床に放り投げて泥だらけになるまで踏みつけた。

部屋中が荒れ果て、砕けた陶器の破片や木屑が散乱している。

雪菜は荒い息を吐きながら惨状を見下ろしたが、胸の内で渦巻く怨嗟は少しも収まらなかった。

窓辺に歩み寄り、ガラスをバンバンと叩きながら外に向...

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