第百十一章

雪菜は和也の胸に飛び込み、声を上げて泣き崩れた。

「怖かった、本当に怖かったの! 百合子さんに暗い部屋に閉じ込められて、和也にも会わせてもらえなくて、携帯まで取り上げられて……もう一生会えないかと思った!」

「実家じゃもう生きていけない。和也、私を連れて逃げて、お願い!」

彼女は和也の腰にすがりつき、きつく抱きしめた。

「和也と一緒にいられるなら何でもする。絶対にいい子にするから!」

和也は身動きが取れず、その顔に困惑と諦めの色を滲ませた。

突き放そうとしたが、全身を震わせて泣きじゃくる姿を見ると、どうしても無下にはできなかった。

百合子は傍らに立ち、冷ややかな目でその光景を見...

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