第129章

やがて、正美が出来立ての粥を運んできた。

二人の前にそれぞれ椀を置き、微笑みながら言う。

「作りたてだから、ゆっくり食べて。胃が温まるよ」

すっかりお腹を空かせていた梨乃は、すぐさまスプーンを手に取り、大きな一口を頬張った。

「うわっ! 先輩、料理の腕前すごすぎ!」

そう言いながら、肩で葵を小突いてウインクする。

「ちょっと見た? こんないい男、どこ探してもいないって! 逃したら絶対後悔するよ!」

スプーンを持ったまま食欲が湧かずにいた葵は、その言葉に呆れ顔になり、テーブルの下で梨乃の足を軽く蹴って黙るように促した。

正美の視線が葵に注がれ、指先がわずかにこわばる。

その瞳...

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