第142章

葵はただ鼻で笑うしかなかった。

最初に離婚協議書を作成したとき、彼の金など一円ももらうつもりはなかった。財産は各自で所有し、債務も各自で負担する。ただ一刻も早く彼から解放されたかっただけだ。

それが今になって、この協議書には同意できないと言う。彼女からすれば、離婚を引き延ばすための新たな口実にすぎない。

「違うんだ、葵。君が思っているようなことじゃない」

和也は慌てて口を開いた。その声には焦りが滲んでいる。

「君に財産を取られるのが嫌なんじゃない。あの協議書じゃ、君に渡る分があまりにも少なすぎると思ったんだ」

「離婚協議書は俺が作る。できたら君に送るから、目を通して問題がなければ...

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