第151章

和也は玄関に立ち尽くし、その瞳の奥に宿る冷気を少しも緩めなかった。

自分の指紋認証の消し忘れが原因で雪菜の侵入を許したのだと思うと、己の不用意さがひたすら恨めしい。そうでなければ、あんな女に付け入る隙など与えるはずがなかった。

和也はすぐさま雪菜の指紋データを消去し、パスワードも新しいものへと変更した。

そのまま管理会社へ電話をかける。その声は氷のように冷え切っていた。

「今すぐ、家中のハウスクリーニングを手配しろ」

清掃業者が慌ただしく立ち働く中、和也は背を向けてバルコニーへと出た。

伏し目がちに、じっと考えを巡らせる。

昨夜は、大毅だけを誘って飲みに出た。そして最後にこの別...

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